第1回 『まずはレッスン探しから』 |
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ミュージックスクールへ電話。
私:「トランペットを習いたいと思うので、話をお聞きしたいのですが。」
受付:「担当の講師に連絡を取りますので、そのまましばらくお待ちください。」
私:「はい。」
しばらくして
受付:「講師が、お会いしたいとのことです。○日の○時以降のご都合はいかがですか?」
私:「○日は予定が空いてますので、○時にに伺います。よろしくお願いします。」
後日、約束の日時にスクールを訪れて、講師との面談が始まった。
私:「まずは、半年で1曲吹けるようになりたいのですが。(人に聴いてもらえるレベルで)」
講師:「それ以降も続けるつもりですか?それによって教え方が変わります。」
私:「基本からしっかり習いたいんですが。」
講師:「わかりました。半年で曲を吹けるか解らないですが、いいですか。」
私:「・・・(悩んだ後で)いいです。(頭の中・・絶対吹けるようになってやる)」
というような感じで進んで行った。
半年で曲が吹けるようにして欲しいなんて、今思うと全く無茶な希望だったこと実感。そんなに簡単に吹けるような楽器じゃなかった。
面談の目的は、顔(口や歯)を見せてもらいたかったことと、どのようなレッスンを受けたいのかの確認だったようである。 あとは本人のやる気を見ることもあったようだ。 場合によってはレッスンをお断りしようかと考えていたとか・・・冷や汗。 まずは、一次審査をパスしてよかった。
上達の秘訣は、教える側と教えられる側の、共にに上達しようという気持ちが大切! と言うことばが印象に残った。
私の場合は個人レッスンしかないということで、翌日よりレッスンが始まることになる。
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第2回 『どうしてトランペット?』 |
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いよいよレッスンが始まるのだが、遠足に行く前の幼稚園児の気分・・・ワクワクッ。
大人になってこんな気分を味わえるのは、精神年齢が幼いからなのだろうか?
初レッスンの様子を書く前に、どうしてトランペットを習い始めたか書いておこう。
何といってもアーデン.ステューディオを企画したことが大きな要因である。計画が進んで行くにつれ、そこで何か楽器を演奏できれば素敵だろうなという思いが膨らんできた。
興味を持って始めたいと思った気持を我慢する必要は全く無い。
じゃ、始めよう!
何か目標を定めた方が、練習に身が入るだろう。
そこで、半年で1曲演奏できるようになりたいという目標を立てた訳である。
建物の竣工に合わせて、何か1曲披露できればと目論んだのである。
でも、習い始めたのはトランペットである。
無知であるが故の恐いもの知らずだった。半年という期間はとっくに過ぎ去ってしまった。
お披露目はいつになることやら・・・。
どうしてトランペット?
■大きな音を出せる。
・・・ストレス解消にいいかも。建築物の遮音性能知るのにもにも使えそうだ。
■据え置きする楽器と違って、持ち運びが便利。
・・・気軽に持ち運びできれば、何処ででも演奏できる。
■誰もがすぐには演奏できるそうもない楽器。
・・・簡単に音を出せる楽器は、何だか物足りない。
■3本の指だけで吹けるのが不思議。
・・・使うのは右手3本だけ?どうして色々な音が出せるのか?興味深い楽器だな。
※この時点では、アンブシュア(口唇の形)のことは全く理解していない。
他にも理由があるが、こんな訳でトランペットとの付き合いが始まるのである。 |
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第3回 『こんな知識で大丈夫?』 |
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音楽の知識
勇ましくもトランペットに挑戦することになったのだが、ほんとに大丈夫?
小学校・中学校の音楽の授業以来、楽器に触れたことはほとんどない。
ギターのコードが少し解るレベルである。難しいことは解らない。
楽譜もロクにわからない人間が、この先どうなるのやら。
知らないことは、何でも聞けばいい。小さな子供と同じように素直な気持でやっていこう。
自分がどのように進歩して行くか楽しみである。
まずは気持の整理
自分は自分のペースでやればいい!
毎日の練習が大切!
焦らず楽しんで取り組もう!
どんなレッスンが始まるのだろうか?
小学校に入学する児童のような心境だ。
手鏡を用意するように言われたが、何に使うのだろうか?
筆記用具も持っていこう。
いよいよ次回は初レッスンの様子を紹介! |
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第4回 『トランペット初レッスン』 |
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レッスン初体験
講師との面談の翌日からレッスン開始。
月に3回で、1回のレッスン時間は30分。そんなに短くていいのかな?
そんな心配は無用であった。30分でも結構きついということをすぐ実感することになる。
レッスンの受付けを済ませて、いよいよレッスンルームへ。
講師にあいさつをして、レッスンの始まりだ。どんなことをするのか興味津々。
まずは、レッスン内容について説明を受ける。
ぎょっ・・・。2ヶ月間は楽器に触れられない。口の形を作るのにそんなに掛かるのか?
始めて聞く言葉がどんどん出てくる。
アンブシュア、バジング、アパチュア・・・。一度に覚えられない。
アンブシュア:口の形
バジング:唇の振動
アパチュア:上下の唇の間の息の出る穴
しっかりしたアンブシュアを身に付けることが基本ということは解った。
唇の赤い所を振動させて音を出すのかと思いきや、周りの皮膚を使うらしい。
アンブシュアのチェックポイントだけでも7つぐらいある。頭がパニック!
手鏡はその時に使うものだった。しばらく鏡は必需品になりそうだ。
口の周りの普段使わない筋肉は、なかなか思うように動いてくれない。
すぐに疲れてしまう。大丈夫なのだろうか?
悪い癖がつくといけないので、慌てずコツコツやるしかない。 |
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第5回 『不自然が自然?』 |
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どういうこと?
トランペットを吹くときのアンブシュアっていうのは、普段の口の形から考えるとすごく不自然なものである。要するにその不自然が楽器を吹くときの自然ということだ。
不自然を自然なものにするには、時間をかけて体に覚えさせるしか無いようだ。
不自然なものを自然なものにするには、反復練習が大切である。
ただ練習するだけではなく、常に意識をして反復すること。これが難しい。
意識せずに出来るようになるには、相当の年数が必要かも・・・。
アンブシュア習得への努力の日々がスタートした。
参考までに、主なポイントとトレーニング方法をご紹介しておく。
用意するもの:手鏡、ストロー(半分くらいの長さ)
アンブシュア
・口を横に伸ばす。
・下唇は歯茎に向かって巻き込むように押し付ける。上下の歯の噛み合わせのラインより下に来るようにする。
・あごを張る。(緊張させる)
・上唇は下方に伸ばす。上下の歯の噛み合わせのラインより下に来るようにする。
※下の歯と歯茎の位置の処で、上下の唇を噛み合わせるような感じなのだが、ものすごく不自然だ。最初は全く力が入らなかった。
■ポイント
・口は横方向に引っ張り、唇は中心に向かって引きつける。イメージできますか?
・口の両端が下がらないようにする。への字にならないように!
・しっかりあごを緊張させ、下の歯と唇の間に空気(息)が入って膨らまないようにする。
・息はおへそに向かって吐き出ようにする。
・顔を上げて気道の通りをよくする。
・下あごは固定する。
■トレーニング
・鏡を使ってのチェック。(1日30分)
・ストローを使っての訓練:下の歯と歯茎の位置にストローを当て、上下の唇でしっかり挟む。もちろんアンブシュアに気を付けながらである。(1日30分)
※最初は不可能と思うが、出来るようになるから不思議だ。
・筋力トレーニング:口を大きく横に伸ばし、すばやく唇をすぼめる。。(1日300回)
※何処でも出来るが、レッスンへ行く電車の中では、さすがに無理だ。
実際に楽器を吹くに当たって、「それは間違っている!」と指摘されるところがあるが、張りのある柔軟な唇を作るための練習として理解していただきたい。
この訓練のお陰かどうか、初めて私がトランペットを吹いて出た音は、実音のハイDぐらいだった。とても使い物にはならない音だったけど・・・。 |
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第6回 『共通の認識』 |
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緊張と期待にドキドキして始まった初レッスンの時間は、あっという間に過ぎてしまった。
初めてのことを体験するということは、何であれ新鮮でいいものだ。
レッスン中の会話の中で印象に残っているのは、講師の言った、「お互いが共通の認識を持てるようになること」という言葉である。
例えば、アンブシュアの練習の時に、鏡でチェックしている自分と、直接見ている講師が共通の認識を持って確認できることが、上達の秘訣であるということである。
同じ認識を持つことが出来れば、普段の練習の時も、講師のレッスンを受けているのと同くらい充実したものにすることが出来るということである。
パン教室に通っている人が、教室で焼いた時にはふっくら焼きあがるのに、家で作ろうとすると、上手く焼けない。っていうことがあると思う。
これと同じである。ふっくらしたパンを焼くことに関する共通の認識が、先生と自分の間だに無いので、いざ一人で焼こうとすると出来ないのである。
鏡の中のアンブシュアを見ているのは、私では無く指導者の目となるようにしなければ・・・。 |
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第7回 『おわび・番外編』 |
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おわび
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この奮闘記の更新を1年以上もさぼってしまいました。更新を待っていてくださった皆さんに、心からおわび申し上げます。
今回、復活させることにしましたので、よろしくお願いします。
これから何か楽器を始め、音楽を楽しむきっかけになることを願っています。
再開するにあたり、今回は近況を書かかせていただきたいと思います。
番外編
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タイトルの説明にある「5年後には演奏会を!」という夢は実現しかった。でも、ある意味では達成できたのかな?
個人での演奏会は実現しなかったが、ビッグバンドに参加させてもらって観客の前で演奏させてもらったり、音楽会を開催するなどして、演奏する機会を多く持てた。
身近な人たちの前で、独りで演奏会を開くのが目標だったんだけど・・・。
現在は、所属していたビッグバンドは退団したが、楽器演奏を楽しむ音楽会仲間と『小さな森の音楽会』を半年に一度開催し、練習の励みにしている。
この仲間たちはトランペットだけでなく、ピアノ、ギター、ウクレレ、トロンボーン、カホーンなど様々な楽器を演奏する面々だ。この仲間と知り合ったことで、音楽は一人で楽しむだけではなく、皆で楽しむとものだと思うようになった。
音楽のあるところに人が集い、そこに新しいコミュニケーションが生まれる。すごく素晴らしいことだと思う。言葉は通じなくても音楽は万国共通語だ。
トランペット教室の発表会が毎年開かれるのだが、今年はそれを延期して、あるイベントにチャレンジすることになった。生徒の中から20名ぐらいが参加して必死で練習を続けた結果、見事オーディションに合格!今から2カ月後にある本番の演奏に向けて頑張っている。
まさか、大阪城ホールで演奏できる日が来るとは思ってもみなかった。やったぁ〜! |
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第8回 『アンブシュアな日々』 |
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次のレッスンまで2週間もの期間が・・・。ちょっと不安。鏡でアンブシュアのチェックはしているが、正しく出来ているのだろうか?間違っていたらどうなるの?
チェックポイントを思い出しながら練習していると、目が中に浮いてしまって鏡から目が逸れてしまう。鏡ではなく頭で確認をしてしまう癖があるようだ。
予想以上に持続するのは辛いぞ。筋肉が思うように動かないぞ。こんなことで大丈夫?
6ヶ月で演奏をするのは難しいとのことだけど、「きっと吹けるようになってやる!」の密かな決意も揺らぎそう。「ダメもとで頑張ろう!」ぐらいに軌道修正しなければならないかな。(その時は、まだまだ現実が分かってなかった。)
筋力を付けないことには、どうにもならない。このことは、すぐに理解できた。始めの頃は、300回もするとヘトヘト。こんなことじゃダメじゃないと言い聞かせ、トレーニングに励む毎日。
あぁ、アンブシュアの形が定まらない。作るたびに形が変わってる。一度に全てのチェックポイントを気にしてしまうので、頭がパニックになっているようだ。1つずつゆっくり確認すればいいと分かっているのに。体が頭に連動してない。少しずつ体に覚えこませるしかないな。 |
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第9回 『アンブシュア一進一退』 |
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練習を繰り返すほど、アンブシュアを身に付けるのは大変だと実感する毎日。
余計なところに力が入ってしまって、無駄に体力消耗してしまう。口の周りでだけでなく上半身全てに力が入ってしまう。
上唇を引き下げて、下唇との間のストローを強く挟む練習もしているのだが、全く力が入らない。ストローの位置は、下の歯と歯茎の境目。普通に口を閉じた位置よりもかなり下だ。
トランペットを吹くには自然な位置なのかもしれないが、体が不自然だと思い込んでる。これを自然と感じるようにならないとダメなんだ。厄介だ。
練習をしばらく続けていると、段々息苦しくなってきた。どうしたんだろ?バテて来たからかな?
いや、違った。唇を下へという意識が、徐々に顔をうつむくようだ。気道が圧迫され、息が出にくくなっていた。ちょっと癖になっているかも。
初めてのレッスンの時に言われた。「癖がつくと直すのには、何倍も時間がかかる。」
やばい、気を付けなければ! |
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第10回 『とにかくアンブシュア』 |
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2回目のレッスンを控えて、ひたすらアンブシュアの練習に励む毎日。
と言うよりは、口の周りの筋力を鍛える毎日と言った方が適切化もしれない。頭で指令を出しても、筋肉に思うように伝わらない状態がつづく日々である。しかし、少しずつではあるが、進歩しているようだ。
筋力トレーニングを主体に練習していたため、バジングの練習が疎かになってしまった。口を緊張させた状態で息を吐き出すのは、意外と難しい。息を出すと口が緩むし、口を緊張させると息が出せないということの連続だ。息の出る位置もバラバラ。
すぐに口がバテてしまって、長い時間続けての練習ができない。始めたばかりだと、こんなものなのだろうか? 上達を信じて、自分のペースでやるしかないな。
バテた状態で練習を続けると、変な癖がつくとのことなので、焦らないで行こう! |
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