= 今週のTOPIC =

第48回  =吸音の工夫と効果=(July 07, 2004)

梅雨だというのに、晴れた日の暑さは真夏のようですね。たまらずクーラーをつける日が多くなっています。皆さんも体調を壊さないように健康には気をつけてください。

第13回TOPICで「遮音と吸音」についてのお話をしました。アーデン.ステューディオは、遮音性能を高めているため室内の音が一般の部屋に比べてよく響く構造になっています。響き過ぎるのを防ぐために床や天井、壁の内側にはグラスウールが敷き詰められています。表面に吸音材を用いることによって吸音効果を高めることができますが、吸音し過ぎると楽器の音が味気ないものになってしまします。
アーデン.ステューディオでは、室内空間をアコースティック楽器の演奏を前提にした響きのあるものにしました。演奏する楽器に応じて、吸音の工夫していただく必要があります。7月16日(金)に開催する「サロンコンサートvol.1」は、ヴァイオリンとピアノのデュオです。何もしない状態では反響音が強すぎるので、布などを使って吸音の調節をしています。
開口部の二重サッシの窓には、カーテンを取りつけています。ブラインド式になっており、素材はレース付の生地です。羽根板の生地の間にレースがある構造になっています。羽板の角度を変えることによって、吸音効果を変えることができます。
壁面の吸音にはキルトを利用しています。キルトは、二枚の生地の間に綿を挟んでいるので、吸音効果に優れています。設置する位置や大きさによって効果が変わります。実際に演奏する楽器で音響を確認する必要があります。キルトには様々なデザインの物がありますので、目的に応じて視覚効果のあるものを選ぶ楽しみがあります。
吸音効果と視覚効果の両者を満たすキルトを探すことは至難の技です。今回のサロンコンサートで使用するキルトは、箕面市在住のキルト創作家の方にご協力いただき、コンサートのテーマに合った素敵なものをお借りすることができました。キルトに関するお話も色々お伺いしました。ひとつひとつのデザインに意味合いがあり、単に、大きさ・形・色などのデザインだけでが選べないというのが感想です。機会があればキルトについてもご紹介しようと思います
吸音の工夫による効果はどうでしょうか。一番簡単な確認方法として手を叩いてみました。カーテンによって窓からの反射音もあきらかに柔らかく感じられます。壁からの反射もキルトを掛ける前とは全く違います。残響時間が明らかに短くなったのが確認できます。コンサートで演奏する楽器を使っての音響チェックはまだですが、期待できそうな結果が得られそうです。リハーサルを繰り返しながら、これからも試行錯誤して行く予定です。絨毯を利用した床面の吸音も必要になるかもしれません。
「心地よい音響」には、こうした吸音の工夫だけでなく、環境に応じた演奏者のテクニックも重要になってきます。そのテクニックに甘えることがないように、スタッフ一同気合を入れて頑張っています。



レンタルスペース オープニングイベント
「アーデン.ステューディオ サロンコンサートvol.1」
〜世界音楽紀行〜
<演奏者>
ヴァイオリン 釋 伸司 /ピアノ 釋 智美

☆サロンコンサート お昼の部☆
開演 午後1時30分(開場 午後1時)

※プログラム内容は午後7時開演のものと同一です。

<見学受付・お問合先>
(株)ミツグ商事
Ardent.Studio アーデン.ステューディオ係
TEL 072-725-2226 / FAX 072-796-1116

June 19, 2004 ○Writer:mitsugu

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